このワークがどういうものかは、前記事をどうぞ。
午前ミニゼミ「認知行動療法」「ABC理論」
朝は9時から、ミニゼミが始まりました。
ミニゼミは、ワークそのものとはちょっと違い…援助論等の講義がメインとなっています。
今回は精神分析やABC理論というものから始まり…
人間が認識する事象と結果の間には、それぞれが持つ信念・思考があり
世界とは、その人の意識が作っている…というお話に。
確かに、出来事に対してはそれがなんであれ
それを観測する人間の思考によって、それが良い出来事にも悪い出来事にもなり得るというのは納得できるお話です。
そういう思考のフィルターは人それぞれ違うもので
悪い認知(思考)を持つ人には、どんな出来事があってもそれは悪い結果として捉えるし、その逆もありえます。
それを踏まえた上での、今回の「認知行動療法」へ繋がっていきます。
セラピーの本質とは
さて、クライアントを癒やし、前向きに幸せに生きていって貰うにはセラピーが必要なのですが、その方向としては…
・状況によらず、クライアントの認知を変えていく事が大事
これは確かに一番大事かもしれません。
安心、安全な環境に居たとしても、クライアントの認知が限りなく後ろ向きだった場合…
どんな環境にいたとしても、生きづらさが改善される訳ではないんですよね。
クライアント自身が、前向きに物事を捉えられるような手助けが必要かと思います。
「悩み」とは当事者の価値観や捉え方が作るもの…という事になります。
・DVの場合、被害者の恐怖心をなんとかする
ここで大事なのは、状況を変えようとしてしまうと、セラピストが問題に巻き込まれてしまうということ。
また、状況だけが変わっても、被害者の恐怖心や、その後の認知が変わらないことにはまた同じ状況を生み出してしまうという事になります。
簡単に言うと、女性団体系の支援や、マニュアル通りの行政支援ですと
「あなたは悪く無い!悪いのは全部夫!離婚すれば解決する!私の言うとおりにしなさい!」
という安易な方向に行きがちですが…
そのまま流されてしまうと、たとえ離婚したとしても、また再婚なりした時に被害者となってしまう事があり、実は何も解決していない…という事になりかねません。
この辺りは加害者にも同じことが言えるのかもしれませんね。
加害者・被害者両方に十分なセラピーと癒やし・支援が必要だと感じました。
捉え方を変えるための「認知行動療法」
認知行動療法とは、簡単に言うと
「後ろ向きな思考の癖を、前向きに変えていくための方法」となります。
私も認知行動療法は実際にやった事がありまして
効果の程は十分に感じることが出来ました。
その時の体験や、認知行動療法の詳細については、以前下記に詳しく執筆しましたので、よろしければご覧ください。
ナラティヴ・アプローチ
また、今回は「ナラティヴ・アプローチ」についてもお話がありました。
クライアントに、これまであった辛い出来事を物語として語ってもらい
それを肯定し、共感することから、物語がポジティブな方向に書き換わっていく現象が起きる…というものでした。
これには、カウンセラー側からも辛い出来事等の語りが必要となるそうです。
いわば「秘密の共有」が発生し、カウンセラーとクライアントとの信頼関係が構築され…
過去の辛い出来事の捉え方がかわり、前向きになれていく…というものでした。
DVやモラハラの当事者にとって、必要なのはこういうセラピーなのかもしれません。
午前の部・女性ワーク
ここまでのミニゼミが大体1時間ほど。
徐々に参加者も集まってきて、そのまま女性ワークになります。
このワーク、1日を通して一応開始時間等は決まっているのですが
10分15分遅れたり押したり長引いたり…結構アバウトです(笑)
更に、女性ワークに男性が混じっていたり…男性ワークに女性がいたり子供がいたり。
更には加害者男性と被害者女性が子連れで一緒に来たり等々…
かなり自由な空間です。
これにも理由があるのですが、そちらは後述。
まずは女性ワークについて、この時点で参加者は10人超。
今年最高の出来事の共有
今回の女性ワークは「今年最高の出来事」の共有をしました。
一人ひとり、今年あった最高の出来事を思い思いに語っていきます。
夫婦で参加された方もそれぞれ自己の成長について誇らしげに語られたのが印象的でした。
このワークでは、加害男性と被害女性が同席してワークに参加しておられますが
お二人共、笑顔でスッキリされた表情で、強くなられた事がよく伝わってきます。
こういう支援で、誰もが楽になれる事は、参加してみないとわからない事なのかなあとも思いました。
女性団体系プログラムではこうはいかないねえ、なんて…元々そういうプログラムに繋がっていた方も語られていました。
クリスマスだったということで、ケーキのプレゼントが!
女性ワークも後半にさしかかり
カウンセラーの味さんから、手作りのチョコケーキが振る舞われました。
炊飯器で簡単に作れるのだとか!
レシピも教えていただきましたが、確かにこれは濃厚なチョコケーキ。
皆で頂きました。こういう空間が安心に繋がるのだなあと、再認識できました。ごちそうさまでした(笑)
お昼を挟んで、男性ワーク
女性ワークが12時過ぎくらいに終了し…
お昼休憩を挟んで男性ワークとなります。
このタイミングで帰られる方もいれば、来られる人も居ます。
また、連れ立ってお昼ごはんを食べに行く人や
近場のコンビニでお弁当を買ってきて会場で食べる人
それぞれ自由な選択で、雑談もしたりしつつお昼の時間が過ぎ、男性ワークとなります。
今回の男性ワークでは「エゴグラム」がテーマでした。
エゴグラムとは…?
午前の認知行動療法でも「あ!これやった~~!」と思ったのですが
エゴグラムも見事にそれでした(笑)
なんというか、自分にとっては一度勉強した事を再勉強するという形になりましたが
これはこれでまた新たな発見があったりして、新鮮な気分でした。
エゴグラムについては、これまた以下に詳しく書いています。
今回の私の結果は、割りと綺麗なM字型でした。
FCだけは常に高いので、きっと本来の自分はそこに居るんだろうな~なんて考えたり(笑)
DV加害者男性と被害者女性がご対面
女性ワークから参加されていた女性のパートナーさんが、男性ワークからいらしてて
そこで、しばらく会っていなかったパートナーとお子さんとご対面。
一緒にワークを受けて、自分自身をみつめなおしたり成長したりされていきます。
妻さんが女性支援に対する不信を語られたり、夫さんが子供と遊んだり…
ちょっとした、面会交流の場にもなっていました。
お二人共、幸せになって欲しいなあと願わずには居られませんでした。
自由な参加スタイルに期待できる効果とは
さて、ここまで読んで
「なんて適当なワークなんだ!時間もいいかげんだし!」等と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが…
これには、結構明確な狙いがあるのだとか…(笑)
基本的にワークは、誰でも参加OK。被害者と加害者が同席してもOK
子供を連れて来ても、その子供が騒いでても…
お昼のカップ麺を食べながら参加してもOK(笑)なんていうフリーダム空間なんですが
「常識」からあえて離れる事で、常識にとらわれない考え方や自己肯定感を得られるのだとかで、こういう場が安心感を得るには良いのだそうです。
確かに、安心感は半端ないですね~。
それと同時に、好き勝手なんでもやり過ぎてしまわないような自制心もある程度自然に考えられたような気がします。
誰かに押し付けられる自制心ではないので、まったくストレスを感じないんですよね。
これは本当に不思議な経験値。
ワークが終わったあともフリートーク
男性ワークが終わったあとは、カウンセリングを受ける人がいたり
夜遅くまで残って、情報交換やフリートークに興じる参加者もいます。
女性団体系プログラムの情報を持っている人なんかもいて、色々と新しい情報を仕入れたり…
最近はじめた、Youtubeでの情報発信のための撮影をしたり等々
今回も沢山話して、当事者と接して、自分の成長にも繋がるという
素敵な場所となりました。
また1年参加できてよかったです。
来年も1月から参加します。