これまで、DV加害者更生プログラムの「講師」について
いろいろ書く機会が多かったのですが
今回は、この「講師」について掘り下げてみようと思います。
正確には「ファシリテーター」
このブログでは便宜上「講師」と書いていますが
正確には「ファシリテーター」と呼びます。
ファシリテーターとは、そのまま訳すと「促進者」という意味で
人間関係を主に扱うグループワークにおいて
中立な立場でもって、グループディスカッションに介入・調整する
という役割を持ちます。
ファシリテーターに求められる条件としては
(出展:wikipedia「ファシリテーター」より)
ファシリテーターの姿勢・態度
「共にある」ということ
援助的であること
状況への感受性が豊かであること
先走らないこと
失敗を恐れないことファシリテーターの役割
その会全体の運営・管理の責任者
グループ・プロセスの観察者であること
グループ・プロセスの援助者であること
スケジュールを管理する
講義および実習のインストラクター
以上の様なものがあります。
DV更生プログラムでのファシリテーターの実態
この様に、グループワークの場において
重要だけど中心ではない、中立が求められるファシリテーターという役割ですが
こと、DV加害者更生プログラムでは
これには当てはまらないファシリテーターが多いように見受けられます。
「DV更生プログラム講師の、信じがたい行動」
や
「DV加害者更生プログラム講師による暴力の話・1」
等、いくつもファシリテーターに関する体験を書いてきましたが
プログラムにおいてのファシリテーターは
集団の中のヒエラルキーで頂点に立ち、好き勝手に暴力を振るっているとも言えます。
グループワークを主な活動としておられる、とあるカウンセラーさんは
これらの話、記事を読まれて
「この人はファシリテーター失格だね」
とおっしゃっていました。確かにそうかもしれないと私も感じてしまいました。
この辺りは
「DV更生プログラムの実態」に記事をまとめてありますので
お読み頂けると嬉しいです。
ファシリテーターになる方法
DV加害者更生プログラムのファシリテーターになるには
全国的にプログラムを広めている団体(名前は伏せておきます)が主催する
「ファシリテーター養成講座」を受ける必要があります。
講座は大体6回程に分けられ、合計40~50時間程の受講を経て
さらに「認定料」という費用を納めれば
おおよそ誰でもファシリテーターなれるとのことです。
それまでに必要な費用は、講座と認定料合わせて10万円程ということです。
こうして講座を受けて認定料を支払えば
晴れて団体認定のファシリテーターを名乗り
法人を立ち上げて独立、プログラムとして開業できるそうです。
ちなみに、一般社団法人が多いように思います。
手軽なのでしょうか?この辺はもう少し要調査ですが。
そして、私が通っている所も、そのように独立されたプログラムです。
ほぼ全国的に、その団体の講座を受けたファシリテーターが
それぞれの地域でプログラムを立ち上げています。
※ちなみにその団体、今でもその名残はありますが元々は中国ドメインでWebサイトを運営していた様です。
食いつきそうな人は食いついてきそうなネタですが、たまたまという事もあるのであまり掘り下げるのはやめておきます…
ある意味、ファシリテーターも被害者
先で
「この人はファシリテーター失格」とおっしゃったカウンセラーさんは
こうもおっしゃっていました。
「ある意味、このファシリテーターも被害者ですね。
お金を出して、講座を受けて認定されても、ファシリテーターとして
大事なことを何も身につけられて居ないし
ことDVにおいては間違った方法しか学べてないんじゃないかな
これについては、団体からの被害者とも言えるかもしれませんね」
という事です。
なるほど…そういう見方もあるのかもしれません。
というわけで、今回は「講師」に関しての記事でした。
今後も、便宜上「ファシリテーター」のことは「講師」という表記で書いていこうと思います。
文字数や、打ち込みやすさも勿論あるのですが、なにより
どう考えても「ファシリテーター」という言葉が合うようには思えませんので…